未成年者が相続人になったら?
働き盛りの夫が亡くなり、遺産相続をすることになりました。相続人は私(妻)と3人の息子ですが、三男はまだ未成年者です。未成年者がいても、遺産分割をすることは可能なのでしょうか?
アドバイス
未成年者の遺産分割について
遺産の分け方を話し合いで決める「遺産分割協議」は、相続人全員が参加・同意することが必要です。ところが、未成年の相続人がいる場合は少々事情が変わってきます。未成年の相続人は、遺産分割協議に参加することができないのです。通常、未成年者が法律上の問題について判断を下す際には、親や後見人が「法定代理人」としてサポートしなければなりません。ところがこの事例の場合、母親自身も未成年の子と同じ相続人という立場で、互いの利益が相反することから、母親は三男の代理人にはなれません。したがって、このような場合は「特別代理人」を選任する必要がなります。
「特別代理人」とは?
最初にお話ししたように、母親と三男は同じ相続人という立場であり、互いの利益が相反することから、母親が三男の法定代理人として遺産分割協議を行うことはできません。なぜならば、母親が三男の代理人になった場合、「お母さんの言う通りにしなさい」と母親の都合の良いように話し合いが進んでしまう恐れがあるからです。そこで、相続に関係のない第三者を「特別代理人」に選任し、三男の代理人として遺産分割協議に参加してもらうことが必要になります。
この場合の特別代理人は、「相続権がないこと」が大前提で、それを満たしていれば親戚の人などでも構いません。ただし、遺産分割協議は公平であることが望ましいですし、専門的な知識のある人のほうが何かと安心ですので、弁護士や税理士などに任せるほうが良いでしょう。なお、特別代理人の選任手続きは、親権者が家庭裁判所で申請を行うことで可能になります。もしも三男が間もなく20歳を迎えるということであれば、三男が成人してから遺産分割協議を行うという方法もあります。

特別代理人が必要となるその他の例
事例のようなケースのほかに、下記のようなケースではどうなるのでしょうか。
◎母親と子ども2人が相続人で、
子どもが2人とも未成年だった場合
この場合、特別代理人が2人必要になります。母親と2人の特別代理人で話し合いをします。つまり、未成年の子どもの人数だけ特別代理人が必要になるということです。

◎母親が亡くなった父親の「内縁の妻」であり、
子どもが2人とも未成年だった場合
「内縁の妻」という立場の母親には、相続権はありません。相続権がないなら、代理人になれると思われるかもしれませんが、2人の子どもの間には利益の相反関係が出てきますので、母親1人で2人の子どもの代理人になることはできません。したがって、母親がどちらかの子の代理人となり、もう1人の子どもに特別代理人を選任しなければなりません。










