ご相談事例

死亡した夫の損害賠償請求権は相続できる?

夫が交通事故で亡くなりました。私は幼い子供を育てていかねばなりませんが、相続する財産だけでは将来が不安です。夫の無念を晴らすためにも、加害者に損害賠償請求したいのですが、可能でしょうか?

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損害賠償請求権の相続について

遺産相続と聞くと、亡くなった方が所有していた家や土地などの不動産、現金や預貯金、株式などの「財産」を引き継ぐ手続きというイメージがありますが、実際に相続できるものには、亡くなった方が所有していた「権利」も含まれます。今回のご相談のケースのように、交通事故などの被害に遭った際に、加害者に対して損害賠償を請求するための「損害賠償請求権」も、そのうちの一つです。なお、損害賠償請求権については、交通事故だけに限ったものではなく、犯罪等の不法行為、債務不履行などがあった場合にも発生し、遺族はその権利を相続することができます。

請求できる損害賠償の種類

今回のようなケースのような場合、加害者に対して、次のような損害賠償を請求することができます。なお、損害賠償金の金額は、被害者の年齢、職業(社会的地位)、家庭での立場・役割など、様々な条件によって違いが出てきます。

◎積極的損害(被害者が出費を余儀なくされる損害)
・死亡に至るまでに必要となった治療費・入院費など ※即死の場合は除く
・葬儀等にかかった費用:遺体の運搬、棺の準備、火葬、葬儀費など ※墓地や仏壇等の購入費は除く
・供養にかかった費用:読経・供物料(初七日~百日忌まで)など

◎消極的損害(事故がなければ得られたと推定される収入を失ったことによる損害)
・逸失利益:亡くなった方が生きていた場合、当然に得られたと思われる利益のこと

◎精神的損害(精神的な苦痛・苦しみ)
・慰謝料:被害者および遺族が受けた精神的苦痛による損害についての賠償金

なお、損害賠償金の請求については、なるべく早い段階で弁護士に相談されることを強くおすすめします。加害者との話し合いに加害者側の保険会社が介入してくると、一般の方ではとても太刀打ちできなくなってしまいますし、損害賠償請求を行う場合には、さまざまな証拠を揃え、主張・立証していく必要があるからです。

注意すべきポイント

今回のご相談では、亡くなった被相続人(被害者本人)が訴えを起こす前に亡くなっておられますが、被相続人が訴えを起こした後に亡くなられた場合には、相続人が訴訟当事者としての地位を相続することになります(民事訴訟法124条1項1号)。ただし、訴訟当事者としての地位を相続する場合は、裁判所に対して「訴訟手続の受継の申立て」を行い、裁判所から相続人として認められる必要があります。申立てが認められれば、相続人が正式に被相続人に変わって裁判を進めていくことができます。なお、相続人が相続放棄をすることができる期間※は、訴訟手続の受継の申立ての手続きはできず、訴訟は中断されることになります。※相続開始を知った時点から3ヶ月

被相続人に多額の借金があったりする場合、「相続放棄」をすることがありますが、このような場面で相続放棄をしていた場合には、最初から訴訟当事者としての立場を引き継がなかったということになります。

相続人が複数いる場合には、相続人同士で揉めないことも大切です。損害賠償金が得られた場合、どのように分配するかといったことで相続人同士が揉めていては、適正な損害賠償金を得ることは難しくなってしまいます。色々と想いがあるかもしれませんが、まずは相続人全員が結束して裁判を乗り切ることを考えましょう。

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