ご相談事例

不動産の相続登記はいつまでにすればいいの?

父の遺言で、兄のAさんが不動産を、弟のBさんが動産を相続しました。Aさんはいずれ相続登記をしようと思っていますが、注意しなければいけない事はあるでしょうか?

お困りごと解決!
弁護士からの
アドバイス

相続登記の手続きはお早めに!

相続登記は、土地や建物などの不動産を相続した時の名義変更の手続きです。
義務や期限はありませんが、手続きをしておかないと、売ったり担保にできないだけでなく、勝手に売却されたり債権者に差し押さえられるなど、色々なトラブルに巻き込まれる可能性があります。

Aさんの様に遺言書での相続の場合、遺産分割協議による相続より、かなり少ない書類で手続きを済ませることができます。いずれにしても早めに手続きされることをおすすめします。

トラブルに巻き込まれないように

不動産は登記をしないと所有権を主張できません。登記は不動産の対抗要件です。対抗要件とは、所有権を主張する法律的根拠のことで、先に登記をした者が所有者と認められます。言ってしまえば、早い者勝ちなのです。

ここで注意しておきたいのは、
遺産分割協議で決めた相続分の登記は、全ての相続人の実印を押した遺産分割協議書や、戸籍謄本、住民票、亡くなった方の出生時から死亡時までの戸籍謄本など、全ての相続人の同意と膨大な数の書類を揃えないと手続きができない。
しかし、
●法定相続分の相続登記は、1人の申請で手続きができる。
という点です。2つの場合の違いを悪用されてしまうと、思わぬ落とし穴にはまってしまうことがあります。

たとえば、Aさんが登記を先延ばしにしている間に、弟のBさんが遺言を無視して、自分の法定相続分である1/2の土地を勝手に登記したとします。この行為自体は本来無効です。しかしBさんがこの土地を第三者のCさんに売却し、事情を知らないCさんが登記してしまうと、Aさんは土地を取り戻すために訴訟を起こさなければならなくなったり、裁判の結果その土地を失う可能性もあるのです。

遺言ではなく、遺産分割で不動産を分配した例では、次の様なトラブルも実際に発生しました。
遺産分割協議の結果、全ての不動産を相続することになった姉のCさんが登記の手続きを済ます前に、妹Dさんの債権者が、Dさんの法定相続分の土地を「代位登記※」した上で、仮差し押さえしてしまいました。裁判の結果、「遺産分割により法定相続分と異なる権利を取得した相続人は、登記を経なければその権利取得を第三者に対抗できない」という判決が出ました(最高裁判所昭和46年判決)。相続登記の手続きを済ませていなかったCさんの土地は差し押さえられてもしかたがない、ということになったのです。
※代位登記;債権者が自分の債権を保全するために、債務者に代わって登記申請すること。

遅くなるほど手間もお金もかかります

例えば父から相続した不動産が、祖父の名義のままだった場合には、祖父の代までさかのぼって必要書類を揃えなくてはなりません。

除籍謄本は、法改正で150年間保存されることになりましたが、それでも、死亡までのものを全て揃えるのは大変なことですし、以前の保存期間は80年でしたので、明治時代に除籍となった謄本が揃えられないといった事態もあり得ます。いすれにしても費用も手間もかかり、弁護士などの専門家に頼まないと手に負えない事が多いようです。

登記しないで放置している間に、兄弟だけだった相続人が、結婚などで次々増えて行き、中には連絡の取れない人がいたりして、収拾がつかなくなる場合も考えられます。そうなると不動産は共有財産のまま放置されることになってしまいます。

期限がないので、ついつい先延ばしにしがちな相続登記の手続きですが、後になって手に負えなくなってから専門家に任せるくらいなら、早いうちに相談して手続きをしておいた方が結局経済的です。

登記していないと売却や担保提供ができません

相続登記を済ませていないと所有者であることが証明できませんから、売却したり、借金の担保に提供することはできません。急にお金が必要になった時に慌てないためにも、手続きは早めに済ませておくことをおすすめします。

相続登記の手続きの詳しいことは、遺産を受け取る立場の方の7.相続登記の手続きをご覧ください。

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